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2022年12月20日(火)

耳鼻咽喉科・頭頚部外科学講座、微生物学講座所属 山田 俊樹 医員が4TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON INNATE LYMPHOID CELLS (ILC4)において、『Student/Postdoc Travel Awards』を受賞しました。

発表タイトル

ACTIVATION-INDUCED CELL DEATH OF ILC2 REGULATES CHRONIC ALLERGIC INFLAMMATION

著者名

Toshiki Yamada, Megumi Tatematsu, Shunsuke Takasuga, Kenki Yamagata, Kazuko Shibuya, Akira Shibuya, Takechiyo Yamada, Takashi Ebihara

研究等概要

2型自然リンパ球(ILC2)は、アレルギー炎症によって訓練され、アレルゲンの再チャレンジに対してより高い反応性を持って長期間生存することが知られています。しかし、このような訓練されたILC2や細胞死に対する運命決定機構は明らかになっていません。慢性アレルギーがPD1、IL-10、Tigitなどの抑制性疲弊マーカーの発現を誘導することを以前、明らかにしています。微生物学講座(海老原敬教授)において、ILC2の「活性化による細胞死」が慢性アレルギーにおける重要な制御機構であることを明らかにしました。
Tigitを発現したILC2を特定し、その生理的意義を明らかにするために、Tigitを発現した細胞を追跡できるfat-mappingマウスを開発しました。慢性気道アレルギーでは常に一定割合でTigitを発現したILC2を認め、アレルギー刺激を停止すると速やかに消失しました。Tigitを発現したILC2は細胞死を起こしやすく、高度に活性化された細胞で、ILC2としての機能を停止していることを見つけました。Tigitを発現したILC2の細胞死は、抗Tigitアゴニスト抗体によって増強され、Tigitの遺伝的除去や抗Tigitアンタゴニスト抗体によって抑制され、慢性アレルギー性炎症が悪化しました。したがって、我々のデータは、ILC2の「活性化による細胞死」のメカニズムを用いた新たな慢性アレルギー治療のターゲットとして期待されます。

参考URL

https://ilc2020.org/congratulations-ilc4-student-postdoc-travel-award-winners/