連携大学院
当研究科の特色
連携大学院について
近年、神経科学の研究分野は遺伝子関連など分子生物学的なレベルの進展が活発である。しかし、臨床の立場からみた場合、各種病態における分子生物学的知見と患者の臨床的知見との間には未だ多くのギャップが残っている。
このギャップを埋めるために、最近、医用工学の枠を極めた核医学画像診断技術の果たす役割は飛躍的に増大している。脳の形態情報のみならず、生理学的、生化学的、あるいは脳機能情報を画像診断法によりin-vivoで計測し画像化することが今や可能となっている。
現在の医学系研究科では分子生物学研究や神経放射線医学に関する研究が主に行われてきたが、核医学画像診断学的研究の面では人材、設備の面でともに不足してきた。秋田県立脳血管研究センターではポジトロンCT(PET)やシングルフォトンCT(SPECT)などの新しい核医学診断装置の開発と、それを用いた各種神経科学的解析の研究が活発に行われている。
秋田県立脳血管研究センターは小型サイクロトロン、ポジトロン標識化合物の合成設備を有し、研究スタッフには多数の物理学、工学、薬学系の研究者を有し、この分野に不可欠な方法論的基礎研究を充実させていることが大きな特徴となっている。かかる観点から、本研究科と秋田県立脳血管研究センターとの連携による共同研究は神経科学の先端的研究を進める上で大きな意義を持つ。
具体的には、虚血性脳障害の病態解析と治療法の開発、腫瘍性病変に対する循環代謝的解析による悪性度の判定と各種治療法の効果判定、脳機能マッピングによる占拠性病変の詳細な位置確認などに大きな進歩が期待される。
脳循環代謝動態学分野の教育研究内容
- 脳血管障害の病態解明と治療法の評価
- 虚血性脳血管障害の脳循環代謝解析と治療法の評価
- くも膜下出血に伴う血管攣縮期の脳循環代謝解析と治療法の評価
- 脳出血周辺脳の脳循環代謝解析と治療法の評価
- 脳梗塞急性期における脳血流量とアミノ酸集積能の検討
- 脳腫瘍の病態解明と治療法の評価
- 各種脳代謝の解析による病態解明
- メチオニンによる中枢神経系腫瘍の放射線治療の評価
- 腫瘍診断におけるモノクロナール抗体およびレセプターイメージング
- 薬物動態解析、統計学的解析
- 脳神経賦活による脳機能局在診断
- 機能画像(脳磁図、PET, SPECT, functional MRI)と形態学的画像の融合および機能画像の三次元的解析
- 核医学トレーサ解析に関する研究
- 新しいトレーサの挙動の解析
- 神経伝達物質イメージング
- IMP ARG法の最適化、精度の評価及び臨床応用
- 脳神経賦活測定における相関マップの検討
- MRI機能画像による脳疾患の評価
- 灌流・拡散画像の方法論開発と脳疾患への応用
- テンソル画像による神経線維走行の評価
- 近赤外線による脳酸素代謝の解析
連携大学院の研究分野等
専攻・研究分野等
専攻名 | 研究分野名 | 入学定員 | 客員教員数 | 連携機関名 | |
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教授 | 助教授 | ||||
医学専攻 | 脳循環代謝動態学 | 1名 | 1名 | - | 秋田県立循環器・脳脊髄センター |
客員教員
職名 | 氏名 | |
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客員教授 | 秋田県立循環器・脳脊髄センター病院長 | 石川 達哉 |
副指導教員
職名 | 氏名 |
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秋田大学大学院医学系研究科脳神経外科学分野 |