私が発表した研究テーマは「食道上皮からのATPの分泌」についてです。ATPは膀胱において感覚伝導に関与することがわかっている物質です。 食道でも同様のメカニズムがあれば、食道の知覚過敏が病態に関わる「胃食道逆流症」において、将来的に新たな治療ターゲットになるかもしれないと 考え、研究を行ってきました。その結果、ラットの食道に圧刺激や酸による科学的な刺激を与えることで、ATPを多く分泌させることを確認し、さら にプロスタグランジンという炎症物質がEPIチャンネルを通してATPの分泌を増強させるという結果も得ることができました。