ニュース

2026年06月18日(木)

腎泌尿器科学講座の蘇武竜太 大学院生が筆頭著者、嘉島相輝 助教が責任著者となる学術論文が国際誌「iScience」に掲載されました

論文タイトル

IL-8 Blockade Enhances Anti-PD-1 Therapeutic Activity in Renal Cell Carcinoma in a Next-Generation Patient-Derived Xenograft Model

著者名

Ryuta Sobu, Yuka Kobayashi, Soki Kashima, Takamitsu Inoue, Takayuki Sumiyoshi, Hiroshi Hamana, Masashi Takeda, Yuko Hiroshima, Shinsuke Seki, Nobuhiro Fujiyama, Kyoko Masuda, Yudai Funakoshi, Shuhei Okada, Keisuke Okubo, Shuhei Takahashi, Yuya Sekine, Hiromi Sato, Mizuki Kobayashi, Ryohei Yamamoto, Taketoshi Nara, Mitsuru Saito, Shintaro Narita, Hiroshi Nanjo, Hiroyuki Kishi, Takeshi Watanabe, Hiroshi Kawamoto, Shusuke Akamatsu, Takashi Kobayashi, Tomonori Habuchi

掲載誌

iScience

研究等概要

進行性腎細胞がんの治療薬として、免疫療法が広く使われており、一定の効果を示しています。しかし、事前に治療の効果を予測することは困難であり、免疫療法が効かない患者様が多くいらっしゃることも課題となっていました。そこで我々は、秋田大学医学部附属病院で免疫療法を受けた腎臓がんの患者様の検体を詳しく解析し、治療耐性に関連する候補因子を特定しました。特に、治療効果の乏しい患者様においては、治療前から一貫して特定の免疫抑制細胞*が、血液中に豊富に存在することを見出しました。(*単球系骨髄由来免疫抑制細胞:M-MDSC)
さらに、患者様の血液細胞と、治療で取り除いたがん細胞を同時にマウスに移植することで、新薬の効果をテストすることができる「新しいマウスモデル」を開発しました。このモデルで、通常の免疫療法とあわせて、先ほどの免疫抑制細胞の働きを抑えるための薬である抗IL-8抗体を注射すると、マウスに植えた患者様のがんの増殖を防ぐ傾向があることを発見しました。
本研究によって、「どうして腎臓がんで免疫療法が効かないことがあるのか」というメカニズムの解明に一歩近づくとともに、新たな治療法の開発の可能性を示しました。
これらの成果は、将来的に腎臓がんの患者様のみならず、がんで苦しんでおられる多くの患者様の治療効果の予測方法の開発や、新薬の開発に役立つ可能性があります。

プレスリリース全文はこちらから

参考URL

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S258900422601761X?via%3Dihub

参考画像