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2026年03月17日(火)

胸部外科学講座 山口歩子先生が筆頭著者、同今井一博教授、微生物学講座/感染制御総合センター感染分子病態研究部門/重点研究ラボ 海老原敬教授/部門長が責任著者となる学術論文が国際誌『OncoImmunoogy』に掲載されました。

論文タイトル

PD-1 genetic fate mapping uncovers immune cell diversity mediating the efficacy of combined PD-1 blockade and chemotherapy

著者名

山口歩子、鈴木陽香、高須賀俊輔、立松恵、渕向茜、遠藤天太郎、加谷悠、森下葵、関信輔、今井一博、海老原敬

掲載誌

OncoImmunoogy

研究等概要

がん細胞は、自らの表面に「PD-L1」という分子を発現し、免疫細胞の表面にある「PD-1」と結合することで、免疫応答にブレーキをかけ、攻撃から逃れる仕組みを持っています。抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体は、この相互作用を阻害することでT細胞の働きを回復させる治療法であり、現在多くのがん種で使用されています。しかし、腫瘍におけるPD-L1発現が低い場合には、抗PD-1/PD-L1抗体単独では十分な効果が得られないことがあります。そのため臨床では細胞傷害性抗がん剤との併用療法が行われることがありますが、その相乗効果の分子機構については、いまだ十分には解明されていませんでした。
本研究では、抗PD-1治療中にPD-1を発現した免疫細胞を赤色で標識し、その後も追跡できる世界初のマウスモデルを開発しました。このモデルを用いて解析した結果、抗PD-1抗体と化学療法の併用により、がんを攻撃する「細胞傷害性T細胞」の多様性が広がることを明らかにしました。本成果は、併用療法が効果を発揮する免疫学的な仕組みの一端を示すものであり、今後のより効果的ながん免疫療法の開発につながることが期待されます。

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