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2025年12月16日(火)

微生物学講座 立松 恵 助教が筆頭・責任著者、微生物学講座/感染制御総合センター感染分子病態研究部門 海老原 敬 教授/部門長が責任著者となる学術論文が国際誌『Cell Reports』に掲載されました

論文タイトル

Quiescent ILC1 cells confer protection against MCMV infection during undernutrition

著者名

Megumi Tatematsu, Shunsuke Takasuga, Akane Fuchimukai, Shinsuke Seki, Guangwei Cui, Takuma Asahi, Atsushi Hirao, Veronika Sexl, Tsukasa Nabekura, Akira Shibuya, Koichi Ikuta, Takashi Ebihara

掲載誌

Cell Reports

研究等概要

悪性疾患、加齢、慢性炎症・感染症に伴う低栄養状態は、免疫不全を誘導し、原疾患の増悪や易感染性の主要な原因となることが古くから知られてきました。これまで、その免疫不全の本態は主として「多様な免疫細胞数の減少」に起因すると理解されてきました。
しかし私たちは本研究において、抗ウイルス応答に重要な自然免疫リンパ球である ILC1 が、低栄養状態においても細胞数を維持すること、さらにILC1 は低栄養環境下で「休眠状態」に移行し、ウイルス感染時には再び活性化して宿主防御に寄与することを明らかにしました。
本研究は、「ILC1休眠状態」という新たな概念を提唱し、その生理的意義を初めて実証した成果であり、低栄養患者における免疫機能低下の理解を刷新するものです。

参考URL

https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(25)01416-0

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