お知らせ
2022年09月29日(木)
保健学専攻理学療法学講座 齊藤 明 講師が著者となる学術論文が国際誌『Arthroscopy: The Journal of Arthroscopic and Related Surgery』に掲載されました。
論文タイトル
Increased medial elbow torque is associated with ball velocity rather than a history of medial elbow injuries in youth baseball pitchers
著者名
Akira Saito, Kyoji Okada, Hiromichi Sato, Kazuyuki Shibata, Tetsuaki Kamada, Yusuke Namiki, Yoshino Terui
掲載誌
Arthroscopy: The Journal of Arthroscopic and Related Surgery
研究等概要
少年野球投手における野球肘の発症には、投球時の肘関節外反トルクの増大や野球肘の既往歴が関与する。また野球肘の再発は1年以内が多く、これらの投手では投球時の肘関節外反トルクが大きいと考えられる。本研究では、少年野球投手を対象に、全力投球時の肘関節外反トルクを測定し、野球肘の既往歴が1年以内、1年以上前、既往歴なしの3群間で比較した。その結果、既往歴1年以内の投手は、既往歴なしの投手に比べ肘関節外反トルクが大きい事が明らかとなった。しかしながら、投球時の球速を考慮して既往歴と肘関節外反トルクとの関連を検討すると、既往歴の関連は低く、球速が肘関節外反トルクに大きく影響した。
少年野球投手において、投球時の肘関節外反トルクの増大には、野球肘の既往歴の有無に関わらず球速が関連し、球速の速い投球は肘への負担を高め野球肘発症や再発につながる可能性がある。本研究結果は、投手の野球肘予防や治療において、球速管理の重要性を示唆しており、臨床やスポーツ現場において非常に重要なデータであると考える。
参考URL
https://www.arthroscopyjournal.org/article/S0749-8063(22)00474-1/fulltext